KRYSTAL
フォルトナの神殿最奥、用途不明の制御装置に拘束されたまま発見された身元不明の女性。本名は分かっておらず、「クリスタル」は発見時の状況から与えられた仮の呼び名である。
人物 ─ PROFILE
報告書には「要救助者」と書いた。間違っているとは、今も思っていない― F・マクラウド 帰投報告の補足記録より
▮ 最重要軍事機密 — QAL文書付随記録
仮称「クリスタル」は、フォルトナで発見された身元不明の女性である。フォックス・マクラウドがオイッコニー私設軍隊の壊滅後に偶然たどり着いたクラゾア神殿の最奥部で、用途不明の制御装置に拘束された状態──水晶状の鉱石に閉じ込められた姿──で発見された。
本名は不明であり、「クリスタル」という名称は発見当時の状況から付けられた仮の呼び名である。装置の拘束手段を解析できなかったフォックスは、彼女の傍らにあった武器「万能杖」のみを回収してその場を去ることしかできず、詳しい素性は現在もほとんど分かっていない。
観察記録 ─ OBSERVATIONS
最大の外見的特徴は、鮮やかな青い体毛である。骨格と外見的特徴からおそらく狐系のアヌビソイドであると推測されるが、地毛として青い体毛を持つ者は星系内でも報告例が皆無であり、これもスピリットによる神秘の力によるものと考察するしかないのが現状である。
服装は被覆度の低い装束であり、発見場所がクラゾア神殿であったことも考慮すると、何らかの儀式を執り行う過程で想定外の事態が起きたものと考えられている。装置が「拘束」なのか「保護」なのか──それすらもまだ、判別できていない。
万能杖 ─ THE STAFF
彼女が携えていた武器は、スピリットを込めて撃ち出すことで近距離戦と遠距離戦を兼ねる「万能杖」である。星系の既知のいかなる兵器体系にも属さず、動力機構に至っては解析装置がまともな数値を返さない。
杖は現在、CDF技術部の最深部で厳重に解析が進められている。杖そのもの、および内包されるスピリットの解析結果が待たれる──それが彼女の救出の、おそらく唯一の手がかりである。
記録余話 ─ ARCHIVES
救出手段が確立するまで、本記録は「未解決」のまま保管される。フォックスは帰投後、任務の合間にフォルトナ方面の哨戒を優先的に希望するようになったという。理由を問われた彼の回答だけが、記録に残っている──「借りたものを、返しに行く約束がある」。
解析班の一人は、万能杖についてこう漏らしたと伝えられる。「これは武器というより、鍵に見える」。何を開けるための鍵なのかは、まだ誰も知らない。