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[ PF-47 / BISON REDFORD — バイソン・レッドフォード ]
ACTIVE — CPV CHIEF / CIVIL PROTECTION
PERSONNEL FILE — BISON REDFORD — CHIEF OF CORNERIA POLICE VANGUARD — CIVIL AUTHORITY
DATABASE RECORD: PF-0047 — CLASSIFICATION: REPUBLIC CIVIL OFFICIAL — NOT UNDER CDF COMMAND
[ PF-47 / PERSONNEL FILE ]
バイソン・レッドフォード (BISON REDFORD)

THE
CHIEF

コーネリア・ポリス・ヴァンガード 署長 ─ 「街を守る」の最終責任者

コーネリアとプロスペローの治安を担う警察組織CPVの現署長。第2攻殻機動部隊の一隊員から署長に上り詰めた叩き上げのミノソイドであり、数々の難事件を解決に導いた敏腕で知られる。アンドルフ裁判では警察の長として最高裁へ異議を申し立て続けた唯一の公職者でもある。戦時下の現在は民間人の避難と警護の指揮に忙殺されている。

▌ PERSONNEL SCAN — FILE 47 ▐
NAMEBISON REDFORD / バイソン・レッドフォード
RACEバイソン系ミノソイド
AGE52歳
HOMEWORLDコーネリア ─ ヴァリス州
AFFILIATIONコーネリア・ポリス・ヴァンガード(CPV)
RANK署長 ─ 元 第2攻殻機動部隊 隊員
JURISDICTIONコーネリア / プロスペロー(民事・刑事) ─ 戦争級事態はCDF管轄
NOTABLE⚠ 宇宙歴3987年 アンドルフ裁判への異議申立(全件却下)/プロスペロー占領時の民間人退避指揮
STATUS現役 ─ コーネリア/プロスペロー避難・警護任務で多忙
CIVIL AUTHORITY RATING -- 92 / 100
BISON REDFORD
THE CHIEF 街が眠っている間に起きている男
証拠が足りないのではない 読む気がないのだ
異議を申し立てる 何度でもだ-最高裁 公判記録 傍聴席の証言より-
comm visual

概要 ─ OVERVIEW

派出所の灯りが消えていないうちは、この街はまだ負けていない― CPV 署長訓示より

バイソン・レッドフォードはコーネリアとプロスペローの治安維持を担う警察組織コーネリア・ポリス・ヴァンガード(CPV)の現署長である。派出所のお巡りさんから凶悪犯罪の制圧部隊まで共和国で最大級の人員を抱える組織の頂点に立つ人物であり、惑星間の戦争級の事態を扱うCDFと並んで市民の日常を支えるもう一つの「盾」を率いている。本記録はCDFの管轄外にある文民組織の長を扱うものであるため、記載は公開情報と協力記録の範囲に限られる。

人物 ─ PROFILE

バイソン系のミノソイドであり、成人男性の標準どおり体高250cmに達する巨躯と左右へ張り出した立派な角を持つ。眉間に皺を寄せた仏頂面が定位置であり署員が署長の笑顔を見た回数は「年に一度の署内表彰式と犯人が自白した瞬間、そして息子と奥さんが署内見学に来た日だけ」と言われる。星系で最も怖い警察のトップは家族の前では良き父親であり、その落差を目撃した新任署員が翌日まで信じなかったという話は署の恒例の笑い話である。妥協を許さない強烈な人物として知られ犯罪者たちの間では恐怖の象徴として扱われているが、その威圧感は生来のものではない。若い頃に判断を誤ったことで犠牲者を出した事件の教訓を今も忘れていないためであり、CDFや政府から圧力がかかっても自身が信じた正義を曲げたことは一度もない。部下が街のために正しく動いた結果の失敗を咎めた記録もまた一件もなく、署員の間で語られる「署長は怒鳴るが見捨てない」という評はこの男の統率の全てを要約している。

ミノソイドの気質そのままに仲間意識が強く古い慣習を重んじる保守的な人物でもあり、新しい捜査手法や小型種の登用には当初きわめて懐疑的だった。それでも一度実績を示した者には人種も体格も問わず職務を任せるようになり、現在の署の主力捜査官にはキューソイドセレノイドの小型種も名を連ねている。誰に対しても怖い態度を貫いているのは本人なりの徹底である。贔屓や差別といった風土を組織から洗い流すには、まず署長が全員に等しく怖くなければならないというのが彼の流儀である。

経歴 ─ CAREER

コーネリアの最果てヴァリス州の農村に生まれ若くしてCPVに志願した。配属先は治安の悪い地区を担当するCPV第2攻殻機動部隊であり屈強なミノソイド・ガネシオソイドポラリソイドを主体に編成された制圧部隊の一隊員として現場に立った。今でこそ模範的な警察官として知られるが血気盛んだった機動隊時代の彼は思い込みと勇み足の目立つ隊員であり、何件もの冤罪事件を立件しては始末書を何枚も書かされている。転機は見かねた妻が家を出て行ったことである。猛省した彼は冤罪で捕らえてしまった全員のもとへ直接謝罪に出向き、以後「腕力よりも現場の細部を読む」ことを何より重視する慎重な捜査へ転じた。押収品の並び順や逃走経路の選び方から犯人の人種と出身地区を割り出す手法はこの時期に確立され後に署内の捜査教範へ収録されている。妻が家へ戻ったのはその数年後であり署員は誰もその経緯を尋ねない。

攻殻機動部隊から捜査部門へ転じてからは数々の難事件を解決へ導き、コーネリアシティの港町の密輸組織摘発や首都圏を騒がせた連続放火事件の解決を経て、現場の一隊員から署長へ上り詰めた。CPVの歴史で攻殻機動部隊出身の署長は彼が初めてである。就任時に掲げた方針は「派出所を減らしてはダメだ」という簡潔なものであった。。都市部の効率化計画で統廃合が予定されていた派出所の多くは彼の反対で存続し戦時下の避難誘導網としてそのまま機能することになる。

署内 ─ THE PRECINCT

前署長は古風な人物であり到底今の社会情勢に合う人物ではなかった。パワハラだらけだった組織を試行錯誤しながら現在の形へ変えてきたのは彼と副署長の功績である。副署長は優柔不断であまり頼りにならない人物と評されるが、署長が判断に悩む選択を迫られた際に「最も優先すべきことは何か」を彼なりに忠言できる唯一の相手であり、部下たちのチームワークと二人のバランスによってCPVは常に適格な判断のできる組織を維持している。副署長の言葉である「署長はすぐには間違いを認めん。何とかしておくから不味いと思った場所は私に伝えておいてくれ」は署内で語り継がれている有名なやり取りである。

現在の署長が最も力を入れているのは次期署長となりうる人材の育成である。これは組織の内部に不審な動きが生まれつつあることを彼が察したためであり、CDFの一部と元老院筋の介入によって後釜に推されている人物が完全な政府の操り人形であることを彼は見抜いている。不審な推薦の数々を確認してからは育成の対象は署の内部からしか選ばれておらず推薦名簿は副署長と二人だけで管理されている。

爆発事故と判決 ─ THE TRIAL

署長としての彼の名を星系史に刻んだのは宇宙歴3987年のアンドルフ裁判である。科学省の爆発事故はCPVの管轄する民間事故として初動捜査が行われ、彼は軍事防衛長官に就任したばかりのZ・Z・ペパーと共同で現場検証を実施した。現場の状況は公表された事故の筋書きと噛み合わない点が多く、両者はそれぞれ独立に状況証拠を集めて最高裁へ提出している。彼が一貫して主張したのは「事故の首謀者を名指しするには証拠が足りない」という一点であり、あくまでアンドルフの無実を訴えたわけではない。警察官として訴えたのはあくまで手続きの不備である。

異議申し立ては一度では終わらなかった。却下されるたびに新たな検証結果を添えて再提出しその回数は公判記録に残るだけで7回に及ぶ。共和国で最大級の組織である警察の長による度重なる反対意見を最高裁はそのことごとくを退けた。ペパーの反証もまた全て却下されている。文民と軍の両方の責任者が揃って異議を唱えた裁判がそのまま判決へ至った事実は、コーネリアの歴史に大きな影を落としたとされる。この件について彼が公の場で語ったことは一度だけであり記者の問いに対する答えは短かった。「私は警察官だ。証拠の話しかしない。その証拠を読んでもらえなかった」。なお当時の警察組織内部にも判決を後押しする不自然な動きがあったことをペパーが記録しており、署長の異議が組織の総意として扱われなかった背景には署の上層に及ぶ政治的圧力があったと推定される。署長本人がこの圧力の出所を把握していたかは不明である。

戦時下 ─ WARTIME

第2次ライラットウォーズの勃発以降、CPVは警察としての職務に加えてコーネリアとプロスペローの民間人の避難と警護を担うことになり署長は文字どおり不眠不休の指揮に置かれている。とりわけ帝国軍がプロスペローへ無警告で進駐した占領の初日、駐留艦隊も地上軍も間に合わない中で市街地に残っていた唯一の組織がCPVプロスペロー課であった。彼は本星から通信で指揮を執り、派出所網を結節点とする避難誘導と帝国軍への非武装交渉を同時に進行させた。この日の被害者がほぼ皆無であったことは、帝国が民間人を「盾」とする占領政策を選んだことと並んでCPVの決死の活動によるものとされる。

占領下の現在もプロスペロー課は現地に残って職務を続けており、CDFとの連絡は参謀本部の「三つの禁止」を前提とする救助作戦の調整に限られる。署長が参謀本部との会議で繰り返す言葉は一つである。「あの街に残っているのはただの人質ではない。何の罪もない住人と私の部下たち、そして彼らの家族だ!」。

記録余話 ─ ARCHIVES

星系ネット配信で人気を博す刑事ドラマ『プロスペロー捜査線』はCPVプロスペロー課をモデルにした番組であり、劇中の署長役は明らかに彼を下敷きにしている。本人は「あんなに喋らない」と一言だけ不満を述べたと伝えられるが、番組の考証にCPVが全面協力している事実は署の公式記録に残っている。

ミノソイドにまつわる「赤いものを見ると興奮する」という俗説について記者が本人に確かめた記録がある。答えは人種記事のとおり「真っ赤な嘘だ」であったが、その後には「礼儀知らずな相手なら、"色は関係ない"ということを忘れちゃダメだぞ」の一言だけ付け足されている。この一件以来、彼にこの類のふざけた質問をする者は一人もいなくなったという。