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[ CIS-HQ / CORPORATION — スペース・ダイナミクス社 ]
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SPACE DYNAMICS CO., LTD.

スペース・ダイナミクス社 ── Gディフューザーシステムを核とした宇宙戦闘機開発の最大手にして、ライラットの空の形を決めてきた企業。社長は天才設計者ヤル・デ・ポン

概要 OVERVIEW

スペース・ダイナミクス社(Space Dynamics Co., Ltd.、通称SD社)は、コーネリアに本社を置く宇宙機開発企業。重力を拡散・制御する独自機構「Gディフューザーシステム」を用いた高機動宇宙戦闘機の開発を主力とし、その技術水準は星系随一と評される。コーネリア防衛軍の制式機の多くが同社製であり、「ライラットのパイロットは、皆どこかでSD社の椅子に座る」と言われるほどである。

またベクター・プライム社と共同で星系のワープドライブ航路網を建設した二大企業の一角でもあり、航路の維持管理は現在も両社の合同組織「B・S航路事業開発」の事業として、戦時下でも中立を保ちながら続けられている。

沿革 HISTORY

前身は第1次ライラットウォーズ期に旧コーディリア王国の艦艇修理を請け負っていた小さな工廠「デ・ポン航宙機工房」である。戦後、共和国成立に伴う軍縮で多くの軍需企業が倒れる中、同工房は「戦争の機体ではなく、宇宙を近くする機体を」を掲げて民需へ転換。商船・民間船の修理と軍末端の星間パトロール隊の機材整備を請け負いながら、細々と技術の火を守り続けた。

転機は約20年前、従業員わずか2名の工房に科学技術省から舞い込んだ反重力機構の試験委託──若き技師ヤル・デ・ポンによる「Gディフューザーシステム」の実用化である(経緯は独立記事を参照)。機体にかかる重力・慣性を拡散するこの機構は宇宙機の運動性能を一変させ、同工房は一夜にして星系技術の頂点に立った。このとき玉座を明け渡した相手こそ、二百年にわたり空を独占してきた老舗Ys・SIM社である(凋落の経緯は同社の項に詳しい)。以後、恒星間旅客機と作業艇で財を成し、社名をスペース・ダイナミクスへ改めた。第2次ライラットウォーズ勃発後は共和国側の主要機体供給元となっているが、同社は今も「弊社は防衛の道具を作る。侵略の道具は作らない」という創業以来の社是を公言している。

主力製品 PRODUCTS

最も名高い製品は、スターフォックスの主力戦闘機「アーウィン」である。Gディフューザーの出力を4基の可変ウィングに分配するこの機体は、設計上は「操縦不能なほど過敏」とされたが、一流のパイロットが乗った時にのみ真価を発揮する「乗り手を選ぶ名機」として伝説となった。同隊の母艦「グレートフォックス」も同社の建造による。

このほか、地上戦車型の「ランドマスター」、潜航艇「ブルーマリン」など、Gディフューザー技術の応用製品は多岐にわたる。民需部門では旅客船・輸送船・救難艇が主力であり、星系の宇宙港で同社のロゴを見ない日はない。

組織と人物 ORGANIZATION

現社長はヤル・デ・ポン。Gディフューザーの発明者自身が経営を執る「技師が頂点に立つ会社」であり、役員会よりも設計室の発言力が強いことで知られる。主任設計技師にはヘケトイドの天才ベルツィーノ・トードが名を連ね、その息子スリッピー・トードはスターフォックスのメカニックとして同社機体の実戦データを担う──トード家との縁は同社の技術の背骨である。

なおベルツィーノの弟グリッピー・トードはグリッピア・ワークス社の創業者であり、アーウィンの装甲材にはCGM合金が採用されている。ライラットの航空宇宙産業は、実のところ二つのトード家企業の間で完結しているという冗談は、あながち冗談でもない。

記録余話 ARCHIVES

アーウィンの初飛行テストの操縦桿を握ったのは、社のテストパイロットではなく、当時まだ傭兵になりたてだったジェームズ・マクラウドだったという逸話が残る。着陸後の彼の第一声「この機体は、乗り手に噓をつかない」は、今も同社の広告に使われ続けている。

本社ロビーには歴代機体の模型とともに、一枚の白紙の設計図が額装されている。銘板にはこうある──「次の一枚。まだ誰も描いていないだけだ」。