ओ&मू
巨大移動要塞ムーラシアの装飾に擬態していた正体不明の戦略兵器。二つの顔が組み合って戦艦となり、歌とも念仏ともつかない言葉で目覚めた。ダークメシア事件でスターフォックスに撃破され、現存しない。
概要 ─ OVERVIEW
敵は要塞に張り付いた不気味な飾りだと、我々は最後まで思い込んでいた― ダークメシア事件 CDF強襲部隊の戦闘詳報より
ओ&मू(オー&ムー)は、教団宇宙統一平和協会「ムー」の巨大移動要塞ムーラシアに張り付く、気味の悪いモニュメントに擬態していた巨大戦略兵器である。セクターλのスペースオベリスクや、タイタニアに存在する謎の「人面岩」との関連性が指摘されており、おそらくは前者を鹵獲して改造したものとされる。
ダークメシア事件では首謀者である教祖「オー」と「ムー」が、歌とも念仏ともつかない奇怪な言葉によって本機を実際に起動しており、他の古代兵器や生物兵器ゴラスとの関連性も指摘されている。起動時には2体の「顔」が要塞から分離して互いに組み合い、一つの艦体となる。完成した姿は彫りの深い二つの顔が背中合わせに繋がった双面の異形であり、交戦した将兵の記憶に長く焼き付くことになった。
銘 ─ THE GLYPHS
機体の各部には解読不能の銘文が刻まれていた。そのうち艦首に相当する部位の最も大きな二文字が「ओ」と「मू」である。読みは確定していないが、教団はこの二文字を神格の名と崇めており、教祖の双子「オー」「ムー」の名もこの刻印から採られたとみられる。CDFの記録名「OH & MU」はその呼びに従った仮称であり、本ファイルの表記は刻印そのものを用いる。一説には教団名の「ムー」自体がこの銘に由来するとも言われるが、教団の壊滅した今となっては確かめようがない。
機構 ─ MECHANISM
兵装は顔面の口から放つ巨大なイオンリング砲と、目から放つ光学レーザーである。さらに額からは「念波」としか呼びようのないものを発して念力を行使するなど、既存兵器では一切報告されていない奇怪な攻撃を使用する。火薬ともレーザーとも異なる未知の兵装群は、交戦したCDF部隊の常識をことごとく裏切った。
周囲には8基のビットが浮遊しており、本体の攻撃を乱反射させることで軌道の読めない厄介な弾幕を作り出す。そして本機の真の恐ろしさは、恐るべき修復能力と継戦能力の高さにある。片方のユニットを破壊しても、もう片方が無事であれば即座に破損部を修復してしまうのである。ダークメシア事件で待機部隊が教祖と交戦に至った際もCDF側の攻勢はほぼダメージになっておらず、決定打となったのはスターフォックスの弱点分析による対処だけだったとみられている。
二重のブラフ ─ THE DOUBLE BLUFF
巨大な顔面が対で動く外見と未知の兵装ゆえ、交戦者はつい顔面の光るパーツばかりを狙ってしまう。これも巧妙な罠である。本機の動力兼中枢は周囲を周回する8基のビットのうちの1基であり、残る7基はそっくりな外見のデコイという、二重のブラフが仕込まれていた。
遊撃隊スターフォックスが本機を撃破できたのは、構成員3名が各々の持てる最大の手札を結集して迎え撃ったからである。隊長の操縦技術がビットの弾幕を潜り、メカニックの即席改造が借り物のコーネリアファイターの出力を引き上げ、歴戦の経験がデコイの中からただ一つの中枢を見抜いた。誰か一人が欠けていたら勝てなかった、というのが後の分析の一致した結論である(交戦の経過は戦闘記録を参照)。
記録余話 ─ ARCHIVES
本機は撃破されており現物は現存しない。それでも本記録が残されるのは、動力と兵装の特殊性、そして大本となるスペースオベリスクの要素が、今後の共和国軍の新兵器開発へ少なからず影響を与えるとみられるためである。CDF強襲部隊の交戦データの解析は、本機が「スピリット」を用いて動く兵器であることは間違いないと結論している。後年フォックス・マクラウドがフォルトナから持ち帰ったクリスタル・スタッフの解析記録と類似の性質を持つことも特筆に値する
本機が破壊された際、セクターλに生息する宇宙生物が搭乗する教祖2人へ真っ先に向かった理由は定かではない。本来スペースオベリスクを破壊すれば蜂の巣をつついたような騒ぎとなり、オベリスクを修復するか同じ位置へ配備し直すまで、敵味方の別なく宇宙生物が全てを食い尽くすまで止まらないはずだからである。同じ座標にいたスターフォックスのコーネリアファイター3機が無事だった理由について、ある分析官は冗談交じりにこう答えている。「オベリスクを持ち出した犯人をあぶり出してくれた礼なのでは?」…どちらにせよ真相は闇の中である。